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【対談】「その人らしさ」を重視する、HMW介護の働き方〜二人の介護スタッフが語り合う、仕事において大切なこと

平成医療福祉グループ(HMW)では、ミッション「じぶんを生きる を みんなのものに」(※)を掲げており、そのミッションを実現するための行動指針(アクション)の一つに「個人の意思とその人らしさを尊重する」があります。

「個人」「その人」には、患者さん・利用者さんはもちろん、働くスタッフも含まれます。そのためHMWでは、すべてのスタッフがその人らしく、生き生きと働けるように、さまざまな取り組みを進めています。

今回は、HMWが運営する特別養護老人ホーム「ヴィラ町田」と「ケアホーム板橋」で活躍中の二人の介護スタッフの対談をご紹介。介護職を目指したきっかけや、仕事において大切にしていること、HMWの施設で働く魅力について、たっぷり語り合ってもらいました。

*この対談記事は、リクルートガイドに掲載された記事をnote用に再編集したものです。


※参照


介護スタッフプロフィール

白井 あかね(しらい・あかね)
ヴィラ町田勤務、副施設長。介護福祉士歴26年(HMWでの勤務は13年)。ケアアドバイザー(※)として、関東エリアの6施設を担当。プライベートでは、4人の子供のお母さん。好奇心旺盛で、新しいことにどんどん挑戦するのが好き!
※介護・ケアのスペシャリストとして、
HMWの施設をエリアごとに統括し、人材育成・指導に携わる。

剣持 麗奈(けんもち・れいな)
ケアホーム板橋勤務。介護福祉士歴5年(HMWでの勤務は1年半)。現在はショートステイを担当。趣味は洋画・ドラマ鑑賞で、最近まで「ヴァンパイア・ダイアリーズ」シリーズにハマっていました。最終回は感動して号泣しちゃいました。


介護の仕事を始めたきっかけと、これまでの仕事

ーお二人が介護福祉士を目指したきっかけを教えてください。

白井:実は最初は、看護師を目指して看護学校に通っていたんです。ところが在学中に長男を妊娠して、途中で退学することになりました。その後無事出産して、育児が少し落ち着いた頃、やっぱり資格職を目指したい、できれば医療・福祉関係の仕事に就きたいと思ったのです。それで、自宅近くの療養型病院で看護助手として働き始めました。数年働いた後、介護福祉士の資格を取得しました。

剣持:私は地方の出身なのですが、周りにおじいちゃん、おばあちゃんがたくさんいる環境で育ちました。親戚に介護の仕事に就いている人も多かったので、自然とその道を志すようになり、福祉科のある高校に入学して、卒業と同時に介護福祉士の資格を取得しました。


ー現在はどんなお仕事をしていますか。

白井:ヴィラ町田では、副施設長としてさまざまな管理業務を担当しています。また、最近はHMWのケアアドバイザーとして関東エリアの施設を担当しているのですが、施設を順番に回って、悩み事や困り事の相談に乗ったり、一緒に解決策を探したりして、サポートしています。

剣持:私はショートステイに所属しているのですが、利用者さんの排泄や食事の介助をしたり、レクリエーションを企画したりしています。

白井:レクリエーションって考えるの難しいよね。私も昔担当だったけど、利用者さんがどんなものを喜んでくださるのかわからないし、ネタも尽きてくるから、ちょっと苦手だった(笑)。

剣持:そうなんです! レクリエーション自体は楽しいんですけど、内容を考えるのが大変です。

白井:どうやって考えているの?

剣持:ほかの施設のSNSを見て、参考にできそうなもの、おもしろそうなものは取り入れるようにしています。
最近はドライブレクやいちご狩りを企画したり、施設近くにある大山商店街まで散歩に行って、食べ歩きを楽しんだりしました。あと、昨年の夏は板橋区の花火大会に合わせて、施設の屋上で花火鑑賞会を実施しました。ご家族も招いたのですが、みなさん喜んでくださってうれしかったです。今年も開催予定なので、楽しみです!

昨年度の花火鑑賞会の様子。屋上に椅子を並べて、みんなで鑑賞しました。


スタッフは浴衣を着て、お祭り気分を盛り上げました!

ー今の施設の前は、どんなところで働いていましたか。

白井:先ほどお話しした療養型の病院で、長くお世話になっていました。ある日散歩をしていたら、ヴィラ町田の開設工事をしている現場にたまたま遭遇して、施工主に「武久洋三」(※)と書いてあるのを見つけました。
以前慢性期医療学会に参加した際、武久先生の講演を聞いたことがあって、「武久先生が運営する特養だったら、働いてみたい!」と思い、応募しました。

※ 平成医療福祉グループの会長(当時は代表)。

剣持:私は高校を卒業してすぐ、介護老人保健施設の認知症専門フロアで働いていました。最初の頃は何もわからなくて、戸惑うことばかりで、先輩に怒られたらどうしようとビクビクする毎日でした。一時期は職場の人間関係に悩んだこともありましたが、利用者さんとやり取りするのは楽しかったです。お酒の好きな利用者さんがいらっしゃったのですが、私が仕事終わりにお部屋に顔を出すと喜んでくださって。好きな音楽をかけて、ソフトドリンクで「乾杯!」ってやっていました(笑)。
今の施設でも、利用者さんとコミュニケーションを取れるのが楽しいですし、名前を覚えていただけるともっとうれしいですね。

白井:利用者さんと仲良くなったり、名前を覚えていただいたりするとうれしいよね。
私も以前、こんなことがあったのを思い出しました。ある日仲良くしていた方が亡くなられて、寂しい気持ちでお部屋を整理していたら、その方の字でラベルに「白井さん」と書かれたカセットテープが出てきたの。そのテープの中身は、施設長を始めとする多くのスタッフが沖縄の三線を練習し、利用者のみなさんの前で演奏した時の録音でした。何とも込み上げるものがあったのを、今でも時々思い出します。

ーお仕事をしていて、どんなことに喜びを感じますか。

白井:私は今は現場に出ることは少なくて、管理職としてスタッフの教育に携わる場面が多いので、人の成長を見られるのが喜びです。入職時は不器用で何もできず、やる気もなさそうに見えた人が、だんだんできることが増えて行って、変わっていく。利用者さんに寄り添えるようになった姿を見られた時はうれしいです。

剣持:仕事を通じて変わることってありますよね。私、実は昔人見知りだったんです。でもこの仕事を始めてから、人見知りすることが減ったなと思います。

白井:わかる! 実は私も。人と関わることが多い仕事だからかな。あえてラウンドに行って、人と無理にでも関わることで、人見知りを克服できたのかもしれないな。

剣持:今の施設は、スタッフのみなさんが優しくて、人柄の温かい方が多いので、人見知りしなくなったのもあるかもしれません。自分が必要とされていると感じるので、自然と喜びややりがいを感じられています。


介護の仕事に大切なのは柔軟性と優しさ

ー介護のお仕事において大切なことは何でしょうか。

白井:まず大切なのは、決めつけないことでしょうか。仕事の経験年数が長くなってくると、どうしても「片麻痺の人にはこのケア」「認知症の方にはこうする」など、自分の経験から決めつけてしまいがちです。
でも、体の機能や症状は同じだったとしても、利用者さんによって、必要なケアはまったく異なります。目の前の利用者さんを見て、この人にはどういうケアが必要かを考えること。
さらに、それに合わせて自分の考え方ややり方を変化させられる柔軟性が必要だと思います。あと大切なのは、人を思いやれる優しい心ですね。ケアの技術は後から何とでもなりますし、優しい人は利用者さんから好かれます。

剣持:柔軟性と優しさ、大事ですね。あと、高齢者の方を好きな気持ちも大切だなと思います。おじいちゃん、おばあちゃんが大好きな人は、この仕事に向いているんじゃないでしょうか。

白井:そうだね。介護の仕事は寄り添うことが大事だから。利用者さんはもちろん、ご家族や同僚にも寄り添える力が必要だなと思います。あまり深いところまで入らない方がいいのか、ただ話を聞いて欲しいのか、放っておいて欲しいのか。その人を知って寄り添うことで、その人に合わせて接し方を変えていくことも大事だと思います。これは、先ほどの柔軟性の話にもつながりますね。

ーこれからやってみたいことや、挑戦してみたいことはありますか?

白井:最近は人材育成・教育に携わっているので、人を育てることはもちろん、そのために必要な枠組み作りに取り組みたいです。私が介護の仕事を始めた26年前は、とにかく「スピード」が求められていました。でも今は、スピードよりも「質」が求められる時代です。だからこそ、人材育成を通じて、HMW全体のケアの質が高まるようにしたいです。施設長になれるレベルの人材をたくさん育成することが目標です。

剣持:私はこれから、新入職の方に夜勤指導をするタイミングが増えそうなので、指導をがんばりたいです。

白井:ユニットリーダーは目指さないの?

剣持:管理職の経験はまだないのですが、もしそういうお話をいただけたら……そうですね、がんばってみたいです!

※ ユニットケアを行う介護施設において、ユニットの管理やマネジメントを行うリーダー。

白井:適性が高そうだから、ぜひ挑戦してみてね。じつは今、HMWの施設で働くスタッフに向けて、研修制度を整えているんです。ケアの技術に関わることはもちろん、異業種の講師も招いてさまざまなテーマの研修プログラムを考えているので、みんなに参加してほしいし、どんどんスキルアップを目指してほしいなと思います。
介護技術って確実なマニュアルがあるわけじゃなくて、利用者さん一人ひとりに合わせて対応を変える必要があるし、教える人によって言うことや教え方が変わると、教えられる側は困ってしまうので、教育面ではまだまだ課題がたくさんあるのですが。

剣持:私が困った時に頼りにしているのは、やっぱり先輩や同僚です。ときどき、利用者さんへの接し方に迷うこともあるのですが、そういう時は先輩や同僚の接遇の上手な方を見習って、真似をすることで乗り切っています。ただ、認知症のある利用者さんへの接遇は、難しい時もあって……。帰宅願望があって、ドアを蹴る方には、どんな声かけをしたらいいでしょうか?

白井:これは難しい質問だね! 深く語ろうとすると時間が足りなくなっちゃうけど、一つアドバイスできるとしたら、帰宅願望は認知症の症状の一つだから、まずは目線を合わせて、「今からじっくりとあなたの話を聞きます」と態度で示す。そして、様子を見ながらパワーワードを出す。パワーワードって、私が勝手に呼んでいるんだけど(笑)。その人とお話しながら背景を探っていって、昔どこに住んでいたかとか、どんな趣味があったかとか、そういう情報からヒントを見つけて、その人の興味を引きそうなパワーワードを探して、関心をそっちに引きつけるといいかも。
以前、私が参加させてもらった研修で「ユマニチュード」っていう技術を紹介していたんだけど、興味があるようならまたゆっくり話しましょう!

剣持:ありがとうございます。実践してみます。またお話聞かせてください。


育児も人材育成も、「待つ」のが大事

ー白井さんはお子さんがいらっしゃるとうかがいましたが、育児と人材育成は、共通する部分はありますか?

白井:もちろんです。「馬を水辺に連れて行くことはできても、水を飲ませることはできない」というイギリスのことわざがあるのですが、これは「人は馬を水辺に連れて行くことができても、馬は喉が渇いていなければ水を飲まないし、無理やり飲ませることもできなくて、人は結局待つことしかできない」という意味です。
育児も人材育成も、こちらが何かさせようと働きかけるのではなく、自発的に動き出すのを待つことが大切だと感じています。やらされている感があると、誰でも嫌ですよね。わが子もスタッフも、まず一人の人として尊重するように心がけています。

ー入職を検討している人に、ひと言お願いします!
剣持:私が所属するケアホーム板橋には、介護スタッフだけではなく、看護師や管理栄養士、相談員やケアマネジャーなどさまざまな職種の方が働いていますが、他職種との連携がしっかり取れているので、働きやすいです。明るくて優しい人が多いので、私も毎日楽しく、ストレスフリーで過ごせています。ぜひ一緒に働きましょう!

白井:HMWの施設には熱心なスタッフがたくさんいますし、HMW全体で学びたい意欲のある人を応援しています。新人から管理職まで、段階に合わせた研修制度を整えているので、スキルアップしたい人、自分を高めたい人にはぴったりの環境だと思います。ぜひ一度、お近くの施設に見学に行ってみてください。



HMWの施設では、一緒に働く介護スタッフを募集しています。
随時見学を受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせください。
くわしくは、各施設のWebサイトをご参照ください。

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