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障がい者支援施設OUCHIイベント「OUCHI Do曜日!」ー地域との豊かなつながりを創出する場を目指してー

当グループが運営する障がい者支援施設「OUCHI」(東京都足立区)は、精神障がいがある人が、地域に戻ることをサポートする福祉施設です。

OUCHIは、誰もが支え合って地域で生活するための拠点として、「地域とのつながり」を大切にする取り組みを外部と協働して行っています。今回、その一環として2022年9月10日(土)にOUCHIにて開催されたイベント「OUCHI Do曜日!」の様子をご紹介。

「地域にひらく 地域とつながる」をコンセプトとする「OUCHI Do曜日!」。その企画意図や、OUCHI CAFEのスタッフ(※1)とOUCHI HOMEのメンバーさん(※2)をはじめ、イベントに参加した人たちの間に起こった影響などについて、くわしくお伝えします。

※1: 障がいを持つ方の就労を支援するサービス(就労継続支援B型事業所)を利用する方を、本記事では「スタッフ」と称します。
※2: OUCHI施設の2階にあるグループホーム(共同生活援助)に暮らす方を、本記事では「メンバー」と称します。


OUCHIを訪れた誰もが「地域とつながる」イベントを企画

OUCHIは、人とのつながりや良好な関係性が、幸福度を高め、私たちの日々の暮らしをより豊かにしてくれると考えています。

OUCHIではこれまでも、「地域とのつながり」を普遍的なコンセプトとして、地域の方たちと共に進めるプロジェクトや、近隣施設などの子どもたちが制作した作品の展示会など、障がいのあるなしに関わらず、すべての地域資源(ヒト・コト・モノ)が混ざり合う仕組みづくりを模索してきました。こうした活動の一つとしてスタートしたのが「OUCHI Do曜日!」です。

コンセプトに共感してくださった複数の出店者たちが集って「食べる」「飲む」「読む」「描く」「憩う」の5つのコンテンツを提供するイベントを企画しました。

【『Ouchi Do曜日!』出店者一覧】

にぎりむすび

地域貢献型のおにぎり屋さん。収益は、子育てママの居場所作りの費用に充てられています。また、地域の子どもたちへの食事支援プロジェクト「にぎりむすびギフト」を運営。栄養満点の食事を、地域の子ども団体(NPO法人や子ども食堂)を通じて、必要としている子どもたちに、継続して無料で届けています。


やわらかアートアカデミー

「やわらかアートアカデミー」代表のスズキミ(鈴木 公子)先生が、大人から子どもまでどなたでも参加できる「出張★デッサンカフェ」を開催しました。(足立区のさまざまな場所でアートレッスン、アートイベントを主催)


晴れの日も雨の日も

「心と体にやさしい焼き菓子を、安心して食べていただきたい」という考えのもと、卵・乳製品・白砂糖は使わず、できる限り国産・植物性の素材を使用。豆腐マフィンやクッキーなどが販売されました。


Fav!(ふぁぼ)

favorite(お気に入り)を語源とする店名の本屋さん。絵本を中心に、新本からアウトレット本、古本や洋書など、親子で楽しめる本を販売しています。イベント当日は本の物々交換も実施されました。


OUCHI CAFE

焼き菓子、ドリンク、アイスなどを提供するほか、期間限定の「ビシャバシャ花火展コラボドリンク」もご用意しました。


一期一会で留まらせない「再現性のあるつながり」を醸成したい

OUCHIが外部に開かれたイベントを企画する場合、その目的の一つに、「地域とのつながりの創出」があります。今回はさらに、OUCHIスタッフやメンバーさんを含め、来場されたすべての方にとって「再現性のあるつながり」を得られる場の提供を目指しました。

「再現性のあるつながり」とは、その日限りではない「再び会いに行ける」人や場所とのつながりのこと。

OUCHIが所在する足立区をフィールドに、地域へ想いを寄せた活動をしている方々にご出店いただいたことで、イベント参加者が、「この人にまた会いたい」「もう一度この商品を食べたい!」と思った時に、対象のヒト・コト・モノに再び会いに行くことができます。

自分が生活する地域で、新たなつながりを自ら開拓するのは容易ではありません。しかし、「OUCHI Do曜日!」を通じてすでに出会っているという前提が、一歩踏み出して新しいコミュニティーに触れるきっかけを生み出します。

この場を生かして「多くの人が地域との豊かなつながりを広げられるように」というOUCHIの想いを、このイベントに込めました。


イベント当日に販売された「晴れの日も雨の日も」の商品。


「Fav!(ふぁぼ)」の商品が並ぶ様子。


イベント当日の様子。店主と来場者の間に、自然な会話が交わされていました。写真は「晴れの日も雨の日も」。


来場者が出店者に店の活動について質問をし、店主が説明する姿も見られました。写真は「にぎりむすび」。


OUCHIスタッフとメンバーさんのなかでめばえる「地域の一員」としての意識

「OUCHI Do曜日!」の運営には、職員だけではなく、OUCHIスタッフも関わりました。スタッフは就労支援施設の利用者であり、支援を受ける対象者ですが、イベント当日は受動的な立場ではなく、ほかの出店者と協働して地域のヒトとヒトがつながる場を提供する立場を経験しました。

OUCHI CAFEでの業務を担当したスタッフは、普段より大人数のお客様の対応に追われながらも、接客をしたりホールで準備をしたり、工房で試食用のお菓子を補充したりと、それぞれのリズムで自分の業務に励んでいました。

また、当日の業務に携わらなかったスタッフのなかにも、地域貢献を意識して、「にぎりむすび」の商品(※1)を予約購入したり、「にぎりむすび」への寄付用のボックス制作(※2)に関わったりと、各々のスタンスでイベントに参加する姿が見受けられました。

※1:「にぎりむすび」がイベントで販売した商品の収益は、足立区での子育て支援に使われています。
※2:寄付金は、「にぎりむすび」の活動に充てられます。イベント後、OUCHIより「にぎりむすび」へお渡ししました。


OUCHIスタッフが手作りした寄付用のボックス。


イベント当日のOUCHI CAFEの様子。

これは、地域のなかで自分らしく暮らすことを目指して、OUCHI HOMEを利用しているメンバーさんにも同じことが言えました。

メンバーさんは直接イベント業務には関わっていませんが、事前に支援員からイベントの趣旨説明を受け、「地域の支援の輪を広げるため」という想いから、普段は購入したことのない「にぎりむすび」の商品を購入した方もいました。

地域とのつながりを提供する側としてイベントに参加した経験や、お弁当を買うという行為を通じて、間接的に地域の課題解決の一端を担った経験は、OUCHIスタッフとメンバーさんが、「自分たちもまた地域の一員である」と感じ、地域コミュニティーに触れる大切さを意識する貴重な機会になったのではないでしょうか。


もっと地域コミュニティーと住民をつなぐ役割を担える場所に

「再現性のあるつながり」づくりを目指して実施した「OUCHI Do曜日!」でしたが、新たな出会いを求めて来られる方ばかりではなく、これまでのさまざまな実践を応援し、協力してくださった方やOUCHIとの関連が深い方が訪れたことにも大きな価値がありました。OUCHIスタッフや職員は、ここで「再会」した方々とのコミュニケーションを介して、これまで育んできた「つながり」を、より一層深めることができました。

また、多くの方がご家族や友人を連れてきてくださり、ブースによっては、商品が早々と完売してしまうほどの盛り上がりを見せました。

老若男女でにぎわうイベントの様子。

一方フロアに目を向けると、足立区でのさまざまな活動を通して、SNS上で知り合いだったという方々が初めてリアルにこの場で顔を合わせたり、ふらりと訪れて初めて会う方同士が会話を交わしていたり、知らない子ども同士が一緒に遊んでいたりと、小さなつながりが生まれていました。

OUCHIの屋外で憩う来場者の様子。
やわらかアートアカデミーのスズキミ先生と一緒に、子どもたちがチョークでアスファルトに絵を描く様子。みなさん伸び伸びと楽しんでいました。

OUCHIを入り口に、地域の方々のつながりが広がり、深まっていく姿は、まさにOUCHIが目指すところです。

今後も「つながりを育むハブ」となれるように、そしてOUCHIスタッフとメンバーさんが地域の一員として、より生き生きと過ごせるように、さまざまな活動を展開するOUCHIに、ぜひご注目ください。



OUCHIについて

東京都足立区、大内病院近隣に立つOUCHIは、精神障がいを持つ人たちが地域に戻るためのサポートをする施設です。
退院後の一時的な住居としてのグループホーム、就労訓練・就労場所としてのお菓子・パン工房とカフェ、ピアサポートや当事者研究などの各種ミーティングを行うための交流スペースを持っています。
どんな人にとっても孤独はつらいものです。寂しくなったり不安になった時にいつでも、話ができる仲間がいる場所。それがOUCHIの目指す場所です。OUCHI CAFEでは、栄養満点で体に優しいごはんやカフェメニューをお楽しみいただけます。ぜひお気軽にお立ち寄りください。

東京都足立区西新井5-18-14
OUCHI HOME/03-6803-1758
OUCHI CAFE KITCHEN/03-6803-1755
営業時間:月〜金曜 12:00〜16:00
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