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HMW大学セミナーレポート(第1回)

平成医療福祉グループは、2024年5月より、主に職員の視野の拡大を目的とし、オンラインセミナー「HMW大学」をスタートしました。

今回、2024年5月27日(月)に開催された第1回目のセミナーレポートをお届けします!

「HMW大学」とは?
平成医療福祉グループでは、医療福祉の優れた専門職になるためには、専門領域にとどまらず見識を広げ、社会全体を考えることが必要だと考えています。
そのため、医療福祉分野以外にもさまざまな分野で活躍する専門家を招き、話を聞いて視野を広げ、今後の業務における意識改革につなげるための学びの場としてオンラインセミナー「HMW大学」を始めました。
このオンラインセミナーは、グループ職員のみならず、誰でも無料で参加できます。


セミナーレポート 第1回 


2024年5月27日(月)開催
講師:株式会社・NPOぐるんとびー 代表 菅原 健介さん
モデレーター:前川 沙緒里さん(平成医療福祉グループ 介護福祉事業部 部長)

〈菅原 健介(すがはら・けんすけ)さんプロフィール〉
菅原さんは、幼少期を過ごしたデンマークでの福祉のあり方や、東日本大震災の経験から、福祉の基本は「地域を一つの家族」と捉えています。住み慣れた地域で人とつながりながら役割を持ち、自分らしく最期まで生きられる社会を目指して、日本で初めてURの団地の一室を利用した小規模多機能型居宅介護「ぐるんとびー」を立ち上げました。
国の定める介護サービスの枠にとどまらない、新たな形の地域でのコミュニティ作りを推進しています。


第1回セミナーは 「WORK101」からオンラインでお届け! 会場にはグループ職員はもちろん、一般の方もたくさん来場し、オンラインからは約200名が参加しました。


セミナーテーマ
常識をぶっとばせ

菅原さんはセミナーの冒頭で、テーマ「常識をぶっとばせ」の意図について説明しました。利用者さん一人ひとりの「その人らしさを守ろう」と行動すれば、自然と既存のルールなどを超える必要があり、「意図的に常識を壊そう」としているわけではないと話しました。

右が菅原さん。左はモデレーターを務めた介護福祉事業部 部長の前川さん。


ぐるんとびーのスタッフは、認知症や精神疾患などがある利用者さんたちに、症状や障がいに対して不要なレッテルを貼らず、どのような方にも家族のように接しています。また、「自分らしく暮らす」ためのサポートに力を入れ、利用者さんが、これまで当たり前に行っていた暮らしが最期まで継続できるように、利用者さんとともに楽しみながらサポ―トすることを大事に考えています。

例えば、嚥下障害がある90代の利用者さんが、夜中の3時に「具合が悪くなってもいいから、ラーメンをどうしても食べたい」と希望すれば提供したり、ご本人の希望を受けて、スタッフと一緒にビールを楽しだりしたこともあった、と紹介しました。

ぐるんとびーがSNSに上げた、「夜中にラーメン」を食べる利用者さんの動画は、SNSで大きな反響を呼びました。この利用者さんはぐるんとびーに入所する前、病院に入院しており、ペースト状の食事しか摂れなかったそうです。ぐるんとびーで「食べる喜び」を取り戻してからは、さまざまな食べ物を楽しめるようになったのだそう。


世の中の風潮として、こうしたサポートの仕方を「危険だ」と捉える方もたくさんいますが、菅原さんはそうした意見を受け入れたうえで、「リスク管理ばかりがケアではない」と考え、ぐるんとびーでは、目の前の人の幸せの追求をサポートしていると伝えました。

当グループでも、利用者さんや患者さんの「やりたい!」という気持ちに寄り添い、実現させることを大事に考えています。セミナーの最後には、菅原さんとグループの武久 敬洋代表が、誰もが「自分らしく生きる」ことを実現するための医療・福祉を目指す共通の考えについて語り合いました。

菅原さんは「目の前の人の自尊心を守り、幸せを追求するためにリスクを取るのであれば、ぐるんとびーのスタッフは、その行動に後悔をする必要はないと考えている」と話しました。


武久代表(写真中央)と菅原さんが語り合う様子。


セミナーの最後には、会場の参加者から質問が飛び交いました。


HMW大学は次回、2024年7月19日(金)開催「HMW大学 #4  離島のリハビリ奮闘記」を予定しています。グループに在籍するセラピスト4名が、1年にわたり島民として生活し、離島のリハビリ活動を支援する「離島プロジェクト」の取り組みについて話します。

詳細は、平成医療福祉グループnoteに随時更新します。ご興味のある方はぜひ、ご参加ください!

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