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グループ栄養部の取り組み紹介 Vol.1「ベスト盛り付け賞」とは!(前編)

平成医療福祉グループでは、ミッション「じぶんを生きる を みんなのものに」を掲げています。ミッションを実現するための行動指針(アクション)の一つに「スタッフの専門性を拡張しチームで成長し続ける」(※)があります。

今回、このACTIONに沿って、多職種で協力し、チーム医療の質の向上を目指す取り組みの一環として、専門人材の育成を促進する取り組みを、グループ栄養部からご紹介します。

患者さん・利用者さんに適切でおいしい食事を提供するための取り組みの一例として、2020年度より始まった「ベスト盛り付け賞」の詳細をお届けします。

※グループサイト参照


「ベスト盛り付け賞」とは

2020年4月にスタートした、盛り付けの質を向上させるための取り組みです。

日々の献立の中から、週1回、グループ栄養部が指定するメニューについて、各病院・施設で作ったものを撮影。その画像をもとに、栄養部が盛り付けを審査。最も優れた盛り付けをした病院・施設が「今週ベスト盛り付け賞」として発表されます。

審査の対象となるのは、常菜・ソフトS・ソフトEという、3つの食形態(※)。毎回それぞれの形態に対してのベストが決められ、年間で通算の受賞数が多い施設が年度末に表彰されます。


結果とランキングは、栄養部独自のポータルサイトで公開。

※「3つの食形態」
・常菜:一般食のこと。
・ソフトS:固さ、ばらけやすさ、張り付きやすさなどがなく、歯茎で噛める程度の柔らかさの食事。
・ソフトE:形はあるが、舌で押しつぶしが簡単にできる程度の柔らかさの食事。


形骸化していた写真提出を意味ある取り組みとしてリニューアル

盛り付けを評価するという企画が始まったきっかけは、もともと定期的に行われていた、料理写真の提出でした。

栄養部の堤 亮介課長に話を聞きました。

「以前『ソフトE食の盛り付けが良くない』という意見があがってきたことがあって、その対策として『ほかの病院・施設の盛り付けと比較して参考にしよう』ということで、各現場から料理写真の提出を定期的にしてもらうようになったんです。ただ、それは送られたものを特に評価するっていうことではなかったし、写真もみんなが見られる状態ではあったけど、正直あまり見てもらえていなかったんですね」

良い盛り付けの参考にするために定期的に行われていた料理写真の提出。
しかし、それはあまり見られていないものとして、形骸化した取り組みになっていました。

「で、せっかくであれば、それを意味のあることにしたいなということで、写真を評価して、どんな盛り付けがきれいかということを共有していこうと」

そこで栄養部では、調理師が中心となる栄養部の調理業務支援課に評価の協力をあおぎ、提出された写真の評価を行って発表する「ベスト盛り付け賞」を昨年4月にスタートさせます。

開始当初は、最も優れた盛り付けと、それに対するコメントを発表するのみでした。

しかし、受賞する病院・施設に偏りが出てきたことから「評価をより目に見える形にして、全体で切磋琢磨した方が良いのでは」と考え、10月からは通算成績をランキングとして発表するようになります。

「そこから、自分たちの成績が目に見えるようになって、やる気に火がついたり、もっと上を目指したいっていう気持ちになる病院・施設が増えたりして、さらに盛り上がるようになりました」


お皿の余白が大切! 評価のポイントとは

では、一体どういった点が、盛り付け評価のポイントになっているのでしょうか。審査に中心的に携る、泉佐野優人会病院の調理師で、平成医療福祉グループ栄養部の柑本 光彦課長に聞きました。

「料理はまず見た目から入るので、盛り付けが本当に大事」と話す柑本課長。盛り付けの審査でポイントとなるのは次の5つとのことです。
(ポイントに対するコメントは柑本課長)

①彩りよく盛り付けられているか
色合いは見た目を大きく左右します。食材の色味が偏ることなくバランス良く盛り付けられているか、また、食材は長時間茹でると色が飛んでしまうので、適切に調理がなされているかを見ています。

②お皿と料理のバランス
決められた量がお皿にきれいに盛られているかをチェックしています。小さいお皿にてんこ盛りになっていると見た目が悪くなりがち。お皿の余白が少しでも見える方がきれいに見えます。

③料理に高さや立体感はあるか
高さや立体感は、食事をよりおいしそうに見せます。平面的に盛られていると見栄えが悪くなります。

④お皿の配置が適切か
ご飯が左、汁物は右など、一汁三菜の配置の基本に添いながら、食べやすいように配置がされているかを確認しています。

⑤食材の下処理は適切にされているか
切り込みがしっかりできていないと、盛り付けもきれいに見えません。下処理が丁寧にできているかは、盛り付けを見ればわかるものです。

盛り付けの評価は、お皿に盛る技術だけを問われるものではなく、下処理や調理など、盛り付け以前の工程も重要なポイント。
あわせて柑本さんは「技術も大事だけれど、きれいに盛ろうという意識が大事」と話します。

審査に1年間関わってきての感想を聞くと「最初に比べてレベルが上がったので、審査が難しくなってきました(笑)」と、苦笑い。

さらに、「送る写真は特に丁寧に盛り付けて撮影したものだとは思いますが、それができるなら、配膳される食事もきれいに盛り付けられるということで、全体の質の向上につながっていくと思います。まだランキングに入っていない施設もありますが、週に1回こうやって見本が発表されるので、それを見て取り組めば、質も良くなっていくはずです」と、今後のランクインに期待を込めました。

ベスト盛り付け賞の紹介は後編へと続きます。
こちらからご覧ください!
【「ベスト盛り付け賞」とは!(後編) 2020年度最多受賞 ケアホーム船橋の取り組み】


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